【国宝天守】松本城(長野県松本市)の見所~攻城レビュー㉜~

お城巡り
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【松本城】概要

松本城は、かつての信濃守護である小笠原氏によって築かれました。元の名を深志城といい現在まで天守が残る国宝の城跡となっています。

いわゆる「現存12天守」のうちの一つの城跡です。関東からは一番近い現存12天守の中のうちの一つだと思います。

小笠原氏による築城の後は、武田家の信濃侵攻の拠点として使用されました。そして、近世になると石川数正が入って、現在の近世城郭になりました。

松本城概要
松本城概要
筆者
筆者

まだお城初心者であった頃、私自身は関東の人間のなので、現存天守と言われてもピンと来ていませんでした。よくよく考えれば大体が復元の天守なことぐらいわかると思いますが、当時中学生だった私には、この現存天守という貴重さがよくわかっていませんでした。ただでさえ空襲や火災なので失われていった城郭は数多くあるのに、このように残っているのは本当にうれしいことですよね。

かつてより小豪族による争いが絶えなかった信濃の城跡が、今では大人気の城跡です。そして、この人気は日本だけにとどまらず、世界各国の人が足を運ぶほどの人気となっています。そんな松本城の人気は実際に行ってみると分かるとよくわかりました。そこには、訪問する人の側面だけではなく、松本城を支える人たちのおもてなしの様子からも伺うことができます。

これまで2度攻城した「松本城」の様子を合わせて書けたらと思っています。

【松本城】散策

松本城までのアクセス

松本城まではJR「松本駅」より徒歩10分程で到着します。

東京方面から特急「あずさ」で3時間弱。かなりの距離だとは思いますが、これでも関東から一番近い現存天守です。駅からも近いのでサクッと回ることができます。また、親切なことに、駅からは「お城口」と記載されている出口から出ればいいので分かりやすかったです。

井戸
井戸

松本城の周りでは、色々なところで水が湧き出ていて井戸が設置されています。そんな水の美しさにも注目すると楽しいと思います。私は2度とも冬に来たのですが、とても水が冷たかったです…。

女鳥羽川
女鳥羽川

松本城はこの「女鳥羽川」を隔てて向こう側にありました。

そんな「女鳥羽川」ですが、お城を守るために流れを変えているのだそうです。そんな案内板も設置されていました。下にも降りることができるので水の綺麗さを確かめてみてください。とても綺麗でした。

ということで、このように「水」に見惚れているとあっという間に松本城へ到着します。

松本城入口
松本城入口

城内を歩く

美しい天守です。私が何よりも好きなのは、この天守とアルプスのコラボレーションです。

また、堀の中も面白いことになっていました。

鯉や鳥たちに交じって小魚が泳いでるんです。それもとんでもない数が、よく目を凝らしてみると多分「アブラハヤ」。綺麗な湧き水に交じって堀に住み着いているのだと思います。ここにも湧き水の綺麗な松本の良さが詰まっていました。二度目の攻城で新たな発見です。

本当にずっと見ていたくなるような景観で、多くの人が写真を撮っています。写真を撮ってからそのまま天守内へ向かいました。

天守へ

天守内の写真が見つかりませんが、やはりかなり年季の入った天守で、時代の流れを肌で感じることができます。もちろん狭間や石落しなどのギミックもふんだんに使用されているので、当時の人たちがどのように守ろうとしていたのか、そしてどんなふうに動いていたのかなんてことを考えながら歩くと非常に楽しかったです。

小笠原牡丹
小笠原牡丹

【小笠原牡丹】1550年に武田信玄によって攻められた際に、小笠原氏はこの牡丹が踏み荒らされることを嫌って兎川寺に移したそうです。そんな牡丹が昭和になって松本城に帰ってきたというなんともロマンティックなお話です。天守の前にありました。

そして、天守閣を見終わったら周りの遺構を歩いていきます。

太鼓門桝形【松本城】
太鼓門桝形

太鼓門桝形です。やはり大きな城跡となると太鼓門桝形のような虎口は素晴らしいです。ここで仕留めるぞという気概を感じます。実際には近世に入ってからの遺構になるので、誰も攻めてないと思いますが、そんな風に機能しているところもぜひとも見てみたかったですね。

散策を終えて

計2回の松本城散策を終えました。私はコロナ禍真っ最中の訪問が初回でした。そして、次の訪問が2024年3月となるのですが、ここの期間で大きな違いを見ることができました。

それは…外国人環境客の多さと無料ガイドが設置されていたことです。

松本城無料ガイド
松本城無料ガイド

この無料ガイドをしてくださる人がとても多かったです。一人からでもすぐに対応してくれていて、外国人観光客の方が特に利用されていました。そこで大きな驚きだったのが、年配の方々がバリバリ英語で案内している人が多かったことです。溢れるように外国人観光客はいらっしゃいますが、その2組に1組くらいは無料ガイドさんを連れていました。「こんなに英語を話せる人がいるんだ…。」と驚いてしまいました…。

私は2度目の攻城の際は、基本的には天守を眺めてベンチで本を読んでいたので、その周りに来るガイドさんと観光客の会話が聞こえてきたのですが、英語でこの日本の歴史を力説してくださっていました。

筆者
筆者

「ヒデヨシ‥」とか「トクガワ…」とか説明されているのを見ると、私が歴史に興味を持った時のことを思い出して懐かしくなります。私は英語を話せませんが、聞き取ることくらいは容易にできるので、ついつい耳を傾けて楽しんでいました。日本のおもてなし文化の結晶だと思います。末永く続いてくれるといいですね。

終わりに

ということで、私は松本城を巡った後に、その他の長野県の城跡を巡りました。

1回目の攻城の後は、諏訪氏の本拠「上原城」と日本三大湖城の一つ「高島城」を巡りました。どちらも松本から好アクセスの立地に築城されているので、日帰りでそのまま巡るのが個人的なおすすめです。

【関連:上原城・高島城巡り(茅野市・諏訪市)】

また、2度目の攻城の後は木曽路旅の中で「木曽福島城」と「奈良井城」を攻城しました。私は次の日に向かいましたが、電車がかみ合えば一日で巡ることができる城跡ですので、非常におすすめです。

【関連:木曽福島城・奈良井城巡り】

長野県は名城が多い地域です。100名城や続100名城でなくても、精巧な山城なども多い地域です。私も行ったことがない城跡がかなり多いので、特に北部のほうの城跡を今度は巡ってみたいなと思ってます。ありがとうございました。

今回のマップ