【北条早雲旗揚げの地】興国寺城(静岡県沼津市)の見所~攻城レビュー㉘~

お城巡り
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【興国寺城】概要

興国寺城は、初代北条家当主の北条早雲が、初めて城主になったお城です。

場所は、静岡県沼津市。過去は駿東郡という今川領の境になっていた地域になります。ある程度歴史が好きな人なら分かると思いますが、かつて北条早雲(伊勢宗瑞)は今川家の家臣としてお城をもらい受けました。そこまでにはかくかくしかじかがあるのですが、ここで語ると長くなってしまうので省略します。

今川家の家臣という扱いですが、幼少期は岡山県の荏原郷という場所で過ごしていたとされています。現在は岡山県井原市に、宗瑞とゆかりのある史跡が多く残っているので、北条早雲という人物に興味を持ったらこちらもおすすめです。

【関連:北条早雲にスポットを当てる(岡山県井原市)】

さて、すでに2代当主氏綱の時代には、北条家と今川家は険悪な関係になりながらも、同盟を結んだりしていました。その中で、「興国寺城」という場所は、境にあるため、戦乱の中に巻き込まれて行くことになります。
今川・北条・武田と目まぐるしく城主が変わっていく城でした。現在は、続100名城にも選定されているお城となっています。

そんな興国寺城を攻城していきます。この日は、静岡県の城跡巡りということで、「興国寺城」に来る前に「山中城」などの名城も攻城していました。そのため、足取りは重かったですが、早雲様の聖地ということで気張っていきます。

散策【興国寺城】

興国寺城までのアクセス

興国寺城は、JR東海道線の「原駅」という場所から徒歩で30分程で到着します。

沼津駅から2駅隣の駅になっているので、関東からのアクセスもまずまずといったところかなと思います。しかし、駅から歩くのは少々難点です…。駅からの徒歩ルート的なので言うと、複雑なものではなかったですが、やっぱり遠いです…。また、バスもあるようでしたが、あまり本数がなくバスの選択肢は無くなってしまいました。

そんな私が「興国寺城」に向かったのは、初夏の時期でした。太陽が燦燦と照り付ける猛暑日です。初夏と言えど、地球温暖化が進んだ今のご時世、歩くのはかなり大変でした。もう、本当に汗だくで…。かなり苦しかったのを覚えています。ただ、道中には飲食店や水分を購入できるお店がいっぱいあったので、そこまで問題にはならないとは思います。ただ、夏に来るときは気を付けてくださいね…。

また、原駅からすぐに海に行けますが、それとはまた反対方向なのがツラいです…。せめて海側にあってくれたらと何度願ったか分からない道中になりました。

興国寺城へ到着

北条早雲石碑
宗瑞様の石碑

入口には石碑がいくつか立っていて、その一つに宗瑞様の石碑がありました。

北条早雲が好きな私にとっては、本当に憧れみたいなお城なんです。ここにいた痕跡ということで、このように石碑が立っていると嬉しい気持ちになりますね…。ここから、北条五代の全てが始まったんです…。そう言っても過言ではないですから…。北条家が相模や武蔵を侵攻していくにあたり、今川の旧領であったこの地域は一度返還されていましたが、それでも何度かは北条の手に戻っていた時期もあるみたいです。河東一乱なんかもありましたしね…。最後は武田家も駿河に来ますから、大変な地域です。

ほんまるねこ
ほんまるねこ

グルグルと支配大名が変わるのってどんな気分なんでしょうか…。北条家は民に優しい税率だったりするので、そこら辺でもいろいろとひと悶着がありそうですね…。

天野三郎兵衛康景石碑
天野三郎兵衛康景の石碑

もう一つ石碑がありました。最後の城主である、天野三郎兵衛康景の石碑のようです。

写真の立て看板にも記載されていますが一応。私は、ここに来るまでは存じ上げなかったのですが、「興国寺城」の最後の城主であり、家康に仕えた岡崎三奉行の一人のようです。彼は「彼是偏無しの三郎兵衛」と呼ばれ、家臣が誤って住民を殺害したのを庇ったことで改易になったそうです。それ以降「興国寺城」は廃城になりました。

なんて良い人…。意外な知識の収穫でした。私は北条早雲のことしか頭になかったので…。

城内散策【興国寺城】

さて、入口の石碑の前にはパンフレットなども置いてあったので、一通りを頂いてから城内散策に入ります。数人のは散策している方がいらっしゃいました。まあ平日だったので、休日はもっと人で溢れてくれていたらなと思いながら開始します。

空堀跡「興国寺城」
空堀跡

空堀の中に入ることができました。かなり深く残っている印象です。意外と埋め立てられて浅い空堀が残っているなんてこともありますから貴重かもしれません。また、奥に進むと石垣も見ることができました。

空堀「興国寺城」
空堀跡

見てわかるかなと思いますが、かなり緑に囲まれているので、夏は虫よけもあったほうがいいかもしれません。私は苦手ではないですが、虫…結構います。

本丸土塁「興国寺城」
土塁跡

最後は天守台跡です。階段を登って行くと到着します。石がわずかに残っていました。景色のほうは見えそうで見えないみたいな印象ですかね‥。2.3キロ先が海ですので…。ただ、私が攻城した時期は、発掘調査を行っていたのか、多くがシートに二の丸と三の丸が隠されていました。少し残念ですが、良い発掘結果があるのを当時の私は願っていきました。

天守台「興国寺城」
天守台跡

終わりに

さて、これで「興国寺城」散策は終了です。大好きな北条家の始まりを感じられる良い城跡でした。北条家の歴史抜きでも、城跡として遺構がしっかりと残っているのでおすすめです。まあ続100名城にも選定されているので当たり前ですかね…。

そして、次はさらに東海道線に乗りまして「駿府城」に向かいました。今回はこれで終了します。ありがとうございました。

【関連:駿府城公園へ】

今回のマップ