北条氏の障子堀といえば…山中城
北条家は築城術に優れていると言われています。北条家の領国で多く見ることができる角馬出や、今回スポットをあてる障子堀などは、北条家の城郭の特徴と言えるでしょう。
また、シンプルに堅固な城が多いことで有名ですね。
韮山城・小田原城などなど..挙げればキリがないですが、北条ファンの私にとっては全て馴染みの深い城郭です。
【関連:難攻不落の韮山城】
本当は今回の山中城も「難攻不落だ!」と声を高らかに言いたいものですが、あいにくと一瞬で落とされてしまっている城郭です。
そんな山中城の大きな特徴は「障子堀」です。
堀に障子のような仕切りを設けて、移動を困難にするものですが、後の時代では、徳川家や豊臣家も参考にしているものになります。
豊臣方に攻められた際は、完成してなかったという話もありますし、完成してたらどうなっていたか…
そんな障子堀は山中城のみにある遺構だと思われがちですが、障子堀は、他の北条家の城郭にも施されていたものだと言われています。
それが今回紹介する「山中城だけじゃない..障子堀が施されている城3選」となります。
私が攻城した城郭から厳選しています。また、韮山城にも障子堀は存在するようですが、行ったのがかなり前なので省略させてきただきます。
山中城だけじゃない..障子堀が施されている城3選
その1:神奈川県小机城
一つ目に紹介するお城は、神奈川県にあります「小机城」です。
少しお城に詳しい方なら、見たことある景色かもしれません。こちらのお城も、竹林に包まれた空堀が有名で、続100名城に選定されています。
なんと大規模ライブも行われる日産スタジアムのすぐそばに残っています。
そんな小机城も、障子堀が施されていたと言われている城郭です。
ただ、本当にあったかどうかは不明な模様で、あくまで可能性の範疇になるそうです。一応発掘調査もしていらっしゃるようですが..。
このように可能性の範疇に止まっている城跡が多いからこそ、山中城という存在が際立っているんですね..。
【関連:小机城の詳細】
その2:埼玉県岩槻城
お次に紹介するのは、埼玉県さいたま市にあります「「岩槻城」です。
こちらもある程度関東史を知っていれば頻繁に出てくる城郭になります。かつては、扇谷上杉氏のお城として機能していましたが、後の北条家の改修で現在の姿になりました。
岩槻城では、実際に発掘の結果障子堀であるとしっかり確認されています。こちらの看板では、山中城をはじめ、小田原城や伊奈屋敷などが例として挙げられていました。
現在は埋め戻されてしまっていますが、かなり雄大な空堀が続いているので、その中を歩きながら障子堀を想像してみてください。
現在は残る遺構がだいぶ少なくなってしまっていますが、空堀はしっかりと散策できるのでおすすめです。
また、岩槻城は小田原城と同様で総構と似た構造を持っていたことが分かっています。
【関連:岩槻城の詳細はこちら】
その3:埼玉県滝の城
最後に紹介するのは、同じく埼玉県の所沢市にある「滝の城」です。
滝の城も空堀が綺麗な城跡であり、築城はかの有名な太田道灌です。後の時代に入って、北条氏照によって改修が行われました。
こちらの空堀は三重に敷かれていたとされていて、外側の堀だけわずかに埋め立てられてしまっていますが、縄張りがよくわかる城跡となっています。
そして、ここにも障子堀が施されていた模様です。滝の城では本丸近くでパンフレットというか資料というものが配布されているので、それに従って散策してみてください。
【関連:滝の城の詳細】
終わりに
今回は障子堀があったとされるお城を3つご紹介しました。まぁ、何が言いたいって言うと..
障子堀を見たいなら山中城に行くべし。
障子堀は色々な城で施されていますが、それが残ることは滅多にないです。長い年月をかけて埋まってしまうか、発掘調査に伴って埋め戻されるかのどちらかになっていると思います。
ですが、障子堀がないからと言って、城の魅力が損なわれることはありません。千差万別の守り方がありますので、是非とも山中城を散策した後に、今回紹介した3つの城郭を巡ってみてください。きっと解像度が違いますからおすすめです。
今回はこれで終了します。ありがとうございました。
山中城最強!