【ネタバレ感想】ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻




12.5巻どんな感じだった?


心の整理が終わらない衝撃の一冊でした
さて、よう実2年生編も12.5巻が最後になりました。
表紙では、筆者の推し『ひより』が桜の下で微笑んでいますが、高育にそんな穏やかな日常がある訳がないのです。
すでに戦いは最終章の序章。3学期は受験に向けての0学期とも言いますし、よう実の再出発に相応しい血みどろの幕開けで物語が終わりました。
【12巻でお預けを食らった結末たち】
・綾小路大暴れの結果、堀北クラスは……?
・一之瀬のその後と‘‘介錯‘‘は?
・坂柳は本当に退学するの?
・綾小路のクラス移動問題。
今回で4点全てが回収され、清隆は新たな門出を飾りました。
初めに言っておくと……
今回のよう実はマジでやばい(定期)
筆者はよう実を読み終えると語彙力を失ってしまうため、言葉足らずな所は勘弁してください。
毎回‘‘ヤバい‘‘しか言っていない気がしますが、感想を交えつつできるだけ読み応えある感想を書ければと思います。


ここからはネタバレ感想です↓
【ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻ネタバレ感想】
①‘‘ジョーカー‘‘を引いた勝者
~介錯とダイバージェンス1%の世界線~
②清算と再出発
~清隆という人物・3年生編に向けて~
③各ヒロインの動向
~一人勝ちでもあり全員敗者?~
‘‘ジョーカー‘‘を引いた勝者


『ほ、帆波--------』と思わず叫びたくなってしまう展開となりました。
綾小路清隆を手に入れたのは旧阪柳クラスと一之瀬帆波。
一之瀬の介錯問題とクラス移動問題が同時に解決することになりました。
綾小路が密やかに期待していた1%の世界線。清隆への憎悪をも乗り越え、手を取りあうことを選択した一之瀬帆波の完全勝利と言えるでしょうね。


状況が飲めないな。どっちが勝ったんだ?


状況整理を兼ねながら下記で語りましょう
とうとう介錯の日がやってきました。一之瀬の選択が知りたくてたまらない清隆を自分の術中に誘い込み、清隆をも飲み込んだ一之瀬。
まさかまさか一線を越えてしまうなんて、誰が予想できたでしょうか。
そうです。清隆でさえ予想できなかった。厳密には希望的観測に過ぎなかった、理想の実験結果を越える成果と言えるでしょう。
・自己犠牲の上に仲間を優先するのか?
・愛にとって代わる憎悪で覚醒するのか?
ではなく、自らの理想を貫いた一之瀬帆波が憎悪と手を取りあうことを選択するのか?
坂柳が、清隆の望む4クラス混戦状態を阻止してしまったため、どちらにせよ清隆の望む展開ではありませんでした。
どちらを選んでも旧坂柳クラスか一之瀬クラスを捨てないといけない状況。
だから清隆は3つ目の選択肢を期待していました。
今までのリーダー陣は変わることで進化を続けてきた。けど、一之瀬は変わらなかった。
信念を貫き続けた一之瀬から得ることができる各リーダー陣との対比は、2年生編で如実に描かれていましたね。
それが全て今回の1%に集約される結果となりました。
1%と言われると某タイムリープアニメを思い出してしまい、勝手に舞い上がっていたのですが、そんな雑念を振り払う衝撃でした。
一言で言えば、清隆が堕ちた。
自らの手で可能性を手繰り寄せ、1%すらも超える愛を証明してしまった一之瀬。
ここでの筆者の感情の波は、もう大津波。被害は日本全土に拡大していく勢いでした。
衣笠先生が仕掛けたブラフは何重にも絡み合ったもので、筆者的には死角から鈍器で殴られた衝撃です。
初めの挿絵で『一之瀬は退学を選ぶ』という先入観が生まれ、文を追うごとに『一之瀬はどちらも選ばず、憎悪を飲み込んで協力する』という形に着地するのだと思いました。
これだけでも、一年一之瀬を見て来た読者からすると感嘆のため息が出るほどなのですが、もうひと山越えてきて、清隆の考えうるパターン外から第4の選択肢に着地する。一之瀬は清隆の思考をも超える愛を証明して見せたのです。
櫛田退学騒動の際の堀北のように、一之瀬もまた壁を越えて見せた。それは清隆君も興奮してしまいますよね。
筆者も体を火照らせながら『越えるのか』『越えないのか』と心をドギマギさせていると、気づけば二人は漆黒に飲み込まれてしまったのだとさ。
もう純愛だよ(笑)
本当の勝者は龍園でも堀北でもなく一之瀬でした、という学年末試験の決着。綾小路が何より評価したのは変わらなかった一之瀬の信念であり、その執着によって手のひらで踊らされていたことに気づく清隆がまた新鮮で……。
『俺は搦め捕られていた』
『…部屋に踏み入れた瞬間から、とっくに退路を断たれていた』
『…未知の魅力に引き寄せられてしまっている』
一度でいいからこんなセリフ言いたい。負けたい。
清隆に変えられて成長していたのに、清隆に認めてもらいたくて、越えたくてって必死に這いつくばっていたリーダー陣を愛で跳ねのけた。
このどんでん返しもよう実らしい展開だなと思います。
確かに、『何も諦めない心』は絵空事だけど、何より美しい。そういう感情は誰しも少なからず抱いている感情だと思います。
人は取捨選択を覚え、何かを諦めて大人になるものですし、変わらないのもまた強さ。
『貫き通せば仕事となる』なんてどこかのラッパーが言っていましたが、まさにその通りだと思います。


しかも、恵ちゃんと別れたその日


え……?
互いに契ったことでC・D連合軍になったと言っていいんですよね? 実質2つのクラスを全て束ね、横一線にするという契約でもあるのかなと思います。私はそう解釈しましたけども。
最後、ジョーカーの登場が星乃宮先生という完全なる悪役から語られているのも良かったですね。天国から地獄への急降下。茶柱先生の感情の揺れ動きが、物語に不気味な恐怖を演出してました。
清算と再出発


興奮冷めやらぬ中ですが、一之瀬以外にも目を向けてみましょう。
とにかく今まで大きな伏線が回収されたのは、読者としては喜ばしいことです。
坂柳はあっけなく退学。だけど高育から15分の所に住んでいる小ネタつき。また会うという確信を清隆が持ったことで、坂柳推しも救われたのではないでしょうか?
堀北クラスでのいざこざも、特に発展することなく3月末に祝賀会を実施。『マジで成長したなぁ』と筆者は、親目線で見ているキャラが多いことに気づきました。
そしてなにより恵ちゃんの成長。
なんやかんや恵ちゃんは大人気ですし、よう実の火付け役だと筆者は思っています。筆者自身もアニメ視聴後に『恵ちゃんがヒロインに⁉』って感じで原作に手を出したので、推しではないですがとにかく清恵には思い入れがある。きっとこの気持ちがわかる人いますよね?
そして清隆を理解して、泣きながらも役割を遂行しようとする恵ちゃんには涙が出る。最後まで‘‘ヒロイン‘‘としての役割を投げ出さない姿勢が好き。もう好き。清隆の中に愛が芽生えていることも知らないすれ違いもまた、恋愛の難しさを象徴する甘酸さがあって、心の中が少しだけ温かくなりました。


でもその後一之瀬と……


しっーーー!
まあ、ここは色んな捉え方ができますね。実際清隆の本当の気持ちはわかりませんが、どっちにしろ引き返しうる気持ちになり得なかった。それが紛れもない事実なのです。
- 【追記:コメントを頂きました】
- 【筆者の回答】
少し解釈違いがあると感じたのでコメントさせていただきます。「清隆の中に愛が芽生えていることも知らないすれ違いも〜」
とありますが、あの綾小路が別れたくないと思わせる心理描写は全て軽井沢の「こういうふうにおもってくれてほしい」という「幻想」です。あの章のタイトルもそれに因んで「幻想」となっております。つまり、最初からで最後まで綾小路は軽井沢に対して何の恋愛感情も湧かなかったというのが綾小路の実験結果だったということでしょう。
おっしゃる通りその解釈の方が正しいと思います。
清隆が別れを伝えた裏で何を考えているのか。そこの心理描写が軽井沢視点ににすり替わっている以上、行動の裏で必ずしも無であったとは言えないんじゃないか。
恋を知り別れを知るというのも教科書としての役割であって欲しかったという私なりの願望を込めた感想でもありました。清隆が自分に対し何の感情も持っていなかったというのを理解していたこと自体が、軽井沢の「幻想」であって欲しいなと思った次第です。ただ、私の理性は他の方の解釈が正しいということを悟っております。貴重なご意見ありがとうございました。
清算の次は再出発。
クラス移動の話はもういいとして、今後の清隆の立ち位置や、物語上の構図がはっきりしましたね。
・勝利で自由になる天然の天才児:高円寺
・敗北で自由になる人工の天才児:綾小路
これがまた3年生の新たなるエッセンスになりそうです。それぞれの父親同士の反応の違いが顕著に表れていて面白い。
ここでようやく高円寺が表舞台に。まだ決まったわけじゃないですが、熱いバトルを期待したいところ。
やはり清隆は負けないといけない。宿命ってやつなのかな。
読者としては負けて欲しくない自分もいるのですが、物語の着地で一番きれいなのは敗北ですよね。
ホワイトルームの否定とか、色々あると思いますが、筆者にはまだ想像がついていません。
各ヒロインの動向


清隆は、実質全てのヒロインと袂を分かつことになりました。
・今更恋の予兆を感じてしまった堀北さん。だけどクラスを離れた清隆。
・ひよりも実質敗北宣言ですよね。清隆は平穏よりも戦い(目的)を選んだ。
・坂柳退学。
・恵ちゃんとのお別れ。
一之瀬が全て搔っ攫いましたけど、ヒロインレースとはまた違う気がします。今後は、真の平等・リーダーの素質・勝利至上主義等の根幹にフォーカスが当たる、熱いバトルが期待できそうです。
ひより可愛すぎるだろっていうのだけ言わせてください。
終わりに(他のエピソードも見せてください)


ようこそ実力至上主義の教室へ2年生編12.5巻
どうやらカットしてしまったエピソードが沢山あるらしいので、ぜひとも見せて欲しい。
確かに、不自然に卒業生関連のいざこざもさらっと触れるだけだったし、ファンとしては気になります。
もう文句をつけようがない完成度。
こんなにも続きが読みたくなる作品はこの世によう実だけ。断言できる。


いよいよ3年生編だ


楽しみすぎますね
ということで、今回はここまで。拙い感想ですがコメントしてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。
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コメント
少し解釈違いがあると感じたのでコメントさせていただきます。
「清隆の中に愛が芽生えていることも知らないすれ違いも〜」
とありますが、あの綾小路が別れたくないと思わせる心理描写は全て軽井沢の「こういうふうにおもってくれてほしい」という「幻想」です。
あの章のタイトルもそれに因んで「幻想」となっております。つまり、最初からで最後まで綾小路は軽井沢に対して何の恋愛感情も湧かなかったというのが綾小路の実験結果だったということでしょう。
コメントありがとうございます。おっしゃる通りその解釈の方が正しいと思います。
清隆が別れを伝えた裏で何を考えているのか。そこの心理描写が軽井沢視点ににすり替わっている以上、行動の裏で必ずしも無であったとは言えないんじゃないか。
恋を知り別れを知るというのも教科書としての役割であって欲しかったという私なりの願望を込めた感想でもありました。
清隆が自分に対し何の感情も持っていなかったというのを理解していたこと自体が、軽井沢の「幻想」であって欲しいなと思った次第です。
ただ、私の理性はK様はじめ他の方の解釈が正しいということを悟っております。貴重なご意見ありがとうございました。