成瀬は信じた道をいく(著:宮島未奈)

【成瀬は信じた道をいくあらすじ】
・著者:宮島未奈
・「膳所から世界へ!」大学生になっても膳所への愛は変わらない。アルバイト、大津観光大使……と相変わらず挑戦し続けている成瀬あかり。成瀬が周囲に与える影響は計り知れず、多くの人を魅了していくーー大人気『成瀬は天下を取りにいく』シリーズの第2弾!
今回は『成瀬は信じた道をいく』ネタバレ感想です。
大人気『成瀬は天下を取りにいく』の正統続編です。成瀬あかりが帰ってきました。
前作では主に中学~高校生の成瀬あかりが描かれました。本作では、高校受験~大学生編といったところでしょうか。前作では見ることができなかった人間からの『成瀬あかり』を見ることができました。
成瀬あかりから学べることはたくさんあります。それは本作も変わりません。
今回も、たくさんの人の視点を借りて、成瀬あかりを見ていくこととしましょう。

次回第3弾が最終巻らしいですね
【今回の記事の概要】
・『成瀬は信じた道をいく』ネタバレ感想
・『何になるか』より『何をやるか』
・‘‘成瀬の見方‘‘から学ぶ
・総合評価
『何になるか』より『何をやるか』

ときめき小学校のみらいちゃんは、日々ときめき地区をパトロールする成瀬あかりに憧れていました。そして、インタビューをすることになり……とはじまる第1章。
何でも挑戦する成瀬あかりに、みらいちゃんは問いかけます。『成瀬さんは将来何になるんですか?』と。
「先のことは分からないからなんとも言えないが……。何になるかより、何をやるかのほうが大事だと思っている」【p.26成瀬より引用】
とても成瀬らしい解答です。
第1弾『成瀬は天下を取りにいく』でも、同じようなことを発言していました。だから、『成瀬は天下を取りにいく』の感想でも同じ話題に触れましたが、今回も触れようと思います。
「たとえばわたしはパトロールを好きでやっているが、警察官になりたいとは思ってない。会社員になったとしても、パトロールはできるだろう。だから私が何になるかは未定だが、地域に貢献したいとか、人の役に立ちたいとは思っている」
これは本当にとっても大事な視点です。私も含め『何者』に固執することが多いはずです。例えば、私は好きで小説を書いています。これが、‘‘小説家‘‘になりたいだけなのか、ただ小説をかきたいだけなのか、というところに繋がってきます。前者が優先されるのなら、必ずしも小説家である必要はない。有名になる方法は他にもありますし、想いが詰まっていない文章に読者は惹かれないでしょう。
成瀬の発言を読んでから、自分自身のことも考えるようになりました。自分が‘‘やりたい‘‘のか‘‘なりたい‘‘のか。自分のことを整理するきっかけになりました。そして、やりたいことを意識して生きていきたいと思えました。
‘‘やりたい‘‘の積み重ねが、結局何者かになることに繋がっているのです。成瀬あかりという人物が教えてくれました。みらいちゃんも、この言葉には感銘を受けたみたいですね。
‘‘成瀬の見方‘‘から学ぶ

今回は、小学生のみらいちゃん、成瀬父、クレーマーの呉間さん、観光大使のかれんさん、島崎の視点から成瀬を見ることができました。
特に成瀬父の視点は、親離れしていく娘を想う気持ちがよく描かれていていましたね。成瀬は成瀬で大津に残ると……まぁ、確かに(笑)。オチとして広島のかるた部の子が使われたのはクスッときてしまいました。
『成瀬は信じた道をいく』で共通して描かれていたのは、『成瀬は人を穿った目で見ないこと』だと思いました。自分にとってその人物がどう見えているのかを大事にしている成瀬から学べることは多いです。
クレーマーの呉間さんの話は特に顕著でしょう。他の人にとっては迷惑でしかなかった呉間さんを素直な目でみることができるのは、成瀬しかいない。私であっても、絶対に他の人の意見に惑わされていたと思います。
対して、みらいちゃんの話では、『成瀬あかり』自分だけが成瀬に憧れているような構図。他の人の意見に惑わされるのか否か、という点でした。
昨今は‘‘推し活‘‘という言葉があるように、人には理解されなくても自分を貫こうというような風潮が主流になっています。もちろん私もオタクですので、よく分かります。
誰かの意見に惑わされて、変な見方をしていなかっただろうか。読みながらずっと考えていました。
もっと自分から相手がどう見えるのかを意識して生活していこうと思いました。
どこまでいっても自分軸、それが成瀬あかりという最高の主人公です。
終わりに

【成瀬は信じた道をいくまとめ】
〇成瀬は『何になるか』より『何をやるか』を大事にする。
〇成瀬は何事も自分軸で判断する。
〇総合評価
今回は『成瀬は信じた道をいく』ネタバレ感想でした。
最高にカッコいい成瀬あかり。これが次回で最後だと考えると非常に寂しいです。
大津の観光大使としてこれからも末永く活動してほしいな。
今回はここまで。ありがとうございました。
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