【ネタバレ感想】映画ルックバック

今回の記事は、映画ルックバックのネタバレ感想になります。
滑り込みセーフで見に行って参りました。大人気漫画チェンソーマンの作者である藤本タツキ氏原作の大人気漫画がついに映画化。チェンソーマンのイメージとはかけ離れた才能と憧れを描く今作ですが、何かに打ち込んでいる人ほど刺さるものがあったのではないでしょうか?
まもなく上映終了(2024年10月現在)ですが、充実した60分を振り返っていこうと思います。
【この記事の焦点】
~ルックバックネタバレ感想~
・捨てちゃいけない‘‘尊敬できる友人‘‘
・【提起】果たしてルックバックは感動作品なのか?
【ネタバレ感想】捨てちゃいけない‘‘尊敬できる友人‘‘

今作は、主人公である‘‘藤野‘‘視点で描かれる挫折と才能のぶつかり合いだったと思います。自分の才能を過信していた藤野。そんな彼女の漫画に対する自信は、天才‘‘京本‘‘によって打ち砕かれることになりました。その後、藤野が描いた四コマ漫画でつながった二人は、共同で漫画を描いていくことになります。
私の心に刺さった部分は、藤野の何かを捨てて努力する姿勢です。
自分の独壇場だった四コマ漫画で、完膚なきまでに敗北を喫した藤野は漫画にのめり込んでいきます。周りの友人を捨ててひたすらに絵を描く姿には強く心を打たれました。それを助長していたのは、なんといっても四季を繊細に表現していた製作陣です。ひたすら漫画を描くだけの60分映画の中で、時間経過と情景描写を両立させていたのはまさにプロの手腕。藤野が積み重ねた時間も努力も、言葉がなくても心に届いてくるのが素晴らしかったです。
その後、藤野が突然諦めた所から天才京本との出会い。京本という天才と努力を積み上げていくことで、漫画家として価値を高めていく藤野から学べることは多いです。
①友達の定義
友達は、何のために必要なのか。私は映画を見ながらそんなことを考えていました。互いに背中を見て成長していく藤野と京本こそ、友達の解だと思いました。
一緒にいることで楽しいも苦しいも共有できる。その先に自分自身の成長がある関係性こそ友達に初めて価値が生まれるのです。何かを追求するときに、一人だといつか必ず生き詰まる。だけど、二人なら何とかなる時が圧倒的に多い。高い壁にぶち当たったとき、自己に成長を与えてくれる人と一緒にいれることこそ、何にも代えがたい幸せなのではないか。二人が真冬のコンビニで賞をとって喜ぶ姿を見てそう思いました。
②捨て去る覚悟
成功には対価が必要です。作中で藤野が人間関係を切ってでも漫画を描き続けたように、人は何かを失うことで何かを得るのです。人の顔色や評価を気にせずに積み上げる強さ。道に迷っている人がいるなら、藤野の姿勢は必ず参考になります。ただ、捨て去る覚悟を持つ中で捨てちゃいけないものを考えることも重要です。特に若いうちは、そういう取捨選択を肌感覚で身に着けるべきだと思いました。
【提起】果たしてルックバックは感動作品なのか?

皆さんは、ルックバックという作品をどのように捉えましたか?
いろいろな人の感想を覗いてみると、かなりの確率で号泣だとか、感動という安易な言葉が出てきました。私はこれに大いに反対したい。涙で済ませるにはもったいない感情が溢れているのだから。
京本への執着を区切り、作家として生きていく覚悟。今まで‘‘背中‘‘を支えられた藤野が独り立ちしていく過程で、心の中に燃え盛る情熱を見つけました。スタッフロールの中でもひたすらに漫画を描く藤野の姿が「私も負けてられないな」と競争心を掻き立たせます。
特に藤野が、京本の部屋で法被と向き合うところには胸を打たれました。藤野の覚悟に思わず飲み込まれそうになります。涙で流してしまうにはもったいない藤野の情熱を、あなたも受け止めてみてはいかがでしょうか? 明日には生まれ変わった自分になれる情熱の物語です。

藤野に負けたくないと思えました。
終わりに

映画ルックバック
60分でうまくまとめられた物語と、繊細な情景描写。多くの学びを得ることができた最高の映画だったと思います。今回はここまで。ありがとうございました。
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