映画:小林さんちのメイドラゴン~さみしがりやの竜~

【小林さんちのメイドラゴン~さみしがりやの竜~】
小林さんとトール・イルル・カンナ(たん)たちはいつもと変わらない日々を過ごしていた。そんなある日、カンナの父であるキムンカムイがやってくる。どうやらあっちの世界ではドラゴン族の戦争が始まるそうで、カンナの力を利用しようと目論んでいた。父と普通の家族として過ごしたいカンナと娘を‘‘仲間‘‘としてしか見ていないキムンカムイ。両者のすれ違いをメインに、人とドラゴンの絆が描かれる。
きたぞ!映画メイドラゴン!
今年は目ぼしいアニメ映画が少なかったため待ち焦がれておりました。
私は予告等は一切見ることなく、ピカピカの初見での参戦です(カンナたんがメインを張ることは知っていたけど)
属性てんこ盛りの当作品ですが、私が好きなのはもちろんカンナたん!
そのため、私も期待大で望みましたが、流石は京都アニメーション。
その期待を軽々超えてきてしまう……
2025年の夏は早かった。まさしく夏の始まりにふさわしい大冒険でしたが、クライマックスでは私の涙腺だけ梅雨に逆戻り。まるでドラゴンの背中に乗ってしまったかのように、乱高下を繰り返しておりました。
そんな映画小林さんちのメイドラゴンを、今回はネタバレ有で語ります。

注意:映画はタオル必須です!!
【今回の記事の概要】
・映画小林さんちのメイドラゴンネタバレ感想
・①細部にわたるつくり込み
・②ドラゴンと人のすれ違い
・③護るべきものがある強さ
・総合点数とまとめ
①細部まで作りこまれた京アニらしさ

流石は京都アニメーション。作画、シナリオ、音響、コメディ、どれをとっても最高級の映画作品。メイドラゴンとしても今回の映画はファンタジー要素多めで、アクションシーンは大迫力でしたね。
特にピックアップしたいのはシナリオ面とアクションシーンから計2つのシーン。
①-1:トールvs小林さん(笑)大迫力のスカイバトル
ゲートからドラゴンの世界へ向かったトールと小林さん。ですが、アーザードの策略で離れ離れになってしまいました。そして一匹でゲートを抜けたトールを待ち受けていたのは、
なんと小林幸子(フェリキタス)率いるドラゴンの軍勢でした。
雲を抜け炎を吐き、視点が目まぐるしく変わっていく。まるでアトラクションに載っている感覚で、思わず首を振ってノリノリで応援しておりました。
あれですね。何だか天空の城ラピュタを見ているような気分でした(なんかあんな感じのシーンがあったような)
とにかく映画を通してトールのカッコよさが際立っていたなという印象です。キムンカムイVSトールも、アーザードVSカンナも心が踊りましたね。
①-2:カンナ×小林さん、二人の温かな日常
映画を通して細かに散りばめられた伏線が、二人の友達以上家族未満の不思議な関係性に溶け込んでいる様が、非常に素晴らしかった。
【冒頭】小林さんと有休⇒トールの、カンナに身を捧げた小林さんへの嫉妬を「有休を使うよ♡」という形で返答する。メイドラゴンらしいコメディチックな終わり方(最高の愛だな)
【冒頭】小林さんとカッコウ⇒Cパートにてカンナ×小林さんがカッコウについて会話する。出生は違えど‘‘家族‘‘である二人の何気ない日常でフェードアウトしていく真夏の昼下がり(最高かよ)
【中盤】カンナの涙の演出⇒公園で小林さんの膝に乗るカンナたん。始めは涙を水道の一滴で表現し、締めのクライマックスで同じシーンを本当の涙で演出する。小林さんの下で流した涙は、最終的にキムンカムイの下で流される(泣くだろこれは)
他にも『お酒』の使いどころ等、細かい演出が神がかりすぎている。
笑いも涙も全部持ってかれたよ、こっちは。
特にカンナたんの涙の演出「あっぱれ」
②ドラゴンと人のすれ違い

【ドラゴンと人のすれ違い】
・人を知らないキムンカムイ×触れ合う温かさを知ったカンナカムイ(たん)をはじめとして、越えられない種族の壁を越えていく過程はむず痒くもある。しかし、今まで積み上げてきた家族の形を信じて見守るしかない……(最高)
‘‘騙されやすい純情な竜‘‘
特にキムンカムイは真っすぐにぶつかる戦士だからこそ、人の心が分からない状態が見ていて辛い。カンナたんの想いも知っているから、とにかく辛い。
その長い過程と、何といっても小林さんの強さと愛情があったから、最後に大号泣をしてしまうわけです。
皆さんは泣きましたか? カンナたんの大号泣。号哭だ。
ボロボロですよ私は。長く長く見守ってきた二人の家族愛が芽生える瞬間を見ることができたのですから。
特に最高な演出は、あそこしかない。
竜玉によって操られる竜の中で、小林さんの愛の一撃を喰らったキムンカムイは一足先に目覚めました。最後トールがアーザードから竜玉の力を奪い取るシーンの間に何があったか、皆さん思い出してみてください。
一足先に目覚めた=人間の心を理解したということでしょう。いつものメンツは竜玉に操られていないですし、そういう解釈でいいのかなと考えています。
そしてキムンカムイはカンナたんに言うのです「お前は小林の下で生きたほうがいい」と。
別れかと思いきやカンナたんは引き返し、キムンカムイに抱き着く。カンナたんを優しく抱擁したシーンで涙腺決壊じゃい。
ここで人間の心を始めて理解した状態で最初に言う言葉が「小林の下に行け」って。
最高過ぎる。泣ける。その後の結論でも「今しか関われない人たちといなさい。いつでも戻ってきていいし、俺からも会いに行く」って、やっぱ最高で純情な戦士や。
凍り付いた関係性と一緒に涙腺も解かれてしまいました。
小林さんのドラゴンたちに対する愛情もそうですし、竜の仲間としての絆が溶け合って最高のクライマックスとなりました。ありがとう京アニ。
③護るべきものがある強さ

【護るべきものがある強さ】
・小林さんの強さ=ドラゴンにも勝る人間としての強さだが、それを持たないアーザードの対比は物語として美しい。惨くも悪役を全うしたものだったのだろう。
アーザードってめっちゃ悪役だと思いますが、オタクの皆さん(私含め)はどっちかといったらアーザード側でしょう(笑)
復讐に燃え強くなった孤独のアーザード。正直途中から肩入れしてしていました。
ドラゴンに襲われなかったら、小林さんのような本当の人間の強さを得られたのかなって思うのです。実力者ではあるだろうに、護りたいものがないだけで負けてしまうのだから。
アーザードを殺さなかったトールの人間らしさが、余計に際立たせてしまう。結局相手を知ろうとしないアーザードこそが恨んでいたドラゴンになっていたのですから。というかドランゴンよりもおぞましい醜悪な何かです。
私もどっちかと言うと‘‘自分のために‘‘って生きてきた人間ですから、ちょっと考えてしまいますよね。もっと誰かのために生きてもいいのかもしれない。

恋人や友人に限らず、私にもそういう人がいるといいですね泣
終わりに

【映画小林さんちのメイドラゴンまとめ】
・緻密な演出が光る最高の映画。
・種族を越えた愛情に涙不回避。
・家族の繋がり・人とのつながりは世界を変える!
映画小林さんちのメイドラゴン
実は一番カッコよかったなと感じたのは、ルコアさんのカットイン。
もしかして、もしかして、中立を詠い知らん顔していたと見せかけてずっと小林さんたちを見ていたな……開眼ルコアさん最高です!
そんなルコアさんが入場特典で出てきてくれて嬉しい限りです。
今季最高の映画でした。
本日はここまで。ありがとうございました。
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