【青春の水しぶき】がんばっていきまっしょいネタバレ感想~アニメ映画感想メモ⑩~

ーアニメ映画感想ー

がんばっていきまっしょい~ネタバレ感想~

がんばっていきまっしょい入場特典
がんばっていきまっしょい入場特典

今回は映画『がんばっていきまっしょい』のネタバレ感想をお送り致します。

がんばっていきまっしょい~あらすじ~
才能もないのに頑張ったって仕方ない……そう気づいてからの悦子は、勝負をあきらめてばかりいる。そんなある日、悦子のクラスに高橋梨衣奈という転入生がやってきた。クラスマッチのボートに感動した梨衣奈は、悦子と幼なじみの佐伯姫を巻き込み、廃部状態だったボート部の復活に奔走する。同学年の兵頭妙子と井本真優美が入部し5人になると、名義貸しのつもりだった悦子も渋々、初の大会に出場することに。試合当日、理想と現実の差に打ちのめされてしまった悦子たち。全員がゴールをあきらめかけた瞬間、悦子がオールを再び握りしめる。「私、もっと上手くなりたい」という悦子の言葉で、5人の気持ちはひとつになるーー!【公式】あらすじより引用

原作は幻冬舎より出版の小説ということで、筆者はかなり期待しておりました。筆者の持論として小説での作品は外れがないというのがあります。正直苦手なCGアニメでしたが、行くしかないということで初日に鑑賞。色々と挑戦的な作品だと思いましたが、今回は良かった所ともう少しだったところを分けて感想を綴ります。

筆者
筆者

最初に言っておきます。青春注意!!

以下ネタバレ注意↓


北条なすの

二次元が住処のガチ体育会上がりオタク。仕事しながらアニメ聖地の現地情報や小説の感想を綴っています。【実績:ゆるキャン△聖地(静岡西部)完全制覇・マケイン聖地完全制覇等】他にも貧乏旅行スキル、城郭、登山、温泉の記事を更新中。

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【この記事の焦点】
~がんばっていきまっしょいネタバレ感想~
・良かった所と悪かった所

・CGはどう?


良かった点①:会話のテンポ感

今作『がんばっていきまっしょい』で一番良かったのは、会話のテンポ感だと思いました。

ベクトルが異なるキャラの波長がうまく重なって相乗効果が生まれています。キャラ同士の掛け合いは、他作品と比べてもかなり秀でている部分だと思いました。勢い任せの感情を乗せる声優陣の演技。5人が二宮君を雑に扱っている感も、青春を演出するエッセンスになっています。

青春を賭ける者同士の気を使わない関係性っていいですよね。ヒメと悦ネエ以外の3人は衝動的に動くタイプでしたので、その3人の間で繰り広げられる会話の疾走感が非常に心地よかった。始めの方はとんとん拍子で物事が進んでしまい『会話のテンポが早いな……』と個人的には狼狽えていたのですが、後半に入り感情移入が完了すると、『これが彼女たちなりのコミュニケーションなんだな』と理解できるようになりました。

会話の裏で続くダッコとイモッチの言い合いの余韻や、二宮君に対して間髪入れずツッコむ女子部員たち。『はい、次これ!』と感情のままに言葉を並べるわんこそばみたいなコミュニケーションは、大人になると難しいなと、しみじみ感じます。彼女らを見ていると、筆者の喉ぼとけの検閲は、子供の頃に比べると非常に厳しくなっているなと思いますし、そういうラフな関係性は、お金をもらって生きている以上もう存在しないのかもしれません。

勢い任せな会話のテンポに良さを感じた人は、抱え込んで逃げ出してしまう悦ネエと似通った部分があるのではないでしょうか? 筆者自身も、遠からず悦ネエと同じような経験を経て同じ考えを持って大人になりましたから、そこに一番『青春』を感じたのは個人的には納得しています。

筆者
筆者

豪華声優達もそうですが、制作側のつくり込みも素晴らしい


良かった点②:悦ネエの葛藤

このアニメ映画、流石は小説原作だなと感心しました。

原作未読ですが、恐らく一人称で描かれてるだろう今作。表情、情景、声をもとに、悦ネエの成長を読み解く面白さは、アニメだからこその面白さです。だから小説原作は好きなんですよね。自分で考えて解を見つけられるので。

悦ネエの1人称で進む小説的面白さが、非常に光っていた気がします。悦ネエは、客観的な私たちの視点から見ても自己中心的で、等身大のこじれちゃったJK。そんなJKが仲間と関わり成長する姿の裏にある悦ネエの思考を私は以下のように読み取りました↓(個人差あり)

終始、悦ネエが置いて行かれる描写が描かれています。その立ち止まった悦ネエが、もう一度前に走り出すためには、ボートではなくても良かったのかもしれません。この5人だったからこそ(一応二宮君も入れて6人ですかね)再び悦ネエが走り始めたというのが大まかな流れでしょう。

あくまで、‘‘利己主義な悦ネエ‘‘が成長する物語。他のキャラは舞台装置でしかなく、悦ネエの利己主義的考え方はそう簡単には変わらないと思います。大会ではずっと4位、3位のまま。二宮君絡みの恋模様における嫉妬でボートをやる意義を見失う悦ネエ。笑っちゃうぐらい横暴で、わがままな主人公だなと思います。そこが凄く可愛くて、思春期らしさ全開だからこそ共感を呼ぶのでしょうし、芯があって応援しがいある主人公だなと思います。

それを踏まえると悦ネエのボートをやる理由は『特別になりたいから』だと思います。

リーちゃんの転入で道が開き、梅子ちゃんとの出会いで勝つことへの執着を自覚した。やっぱり立ち止まりたくないし、あの4人なら私を特別にしてくれると信じたのではないでしょうか?

ベクトルがばらばらな5人。所々‘‘ここにいる理由‘‘は描かれていますが。そんな5人でも結びつくのが青春の魔力ですね。友情最高!と一括りにするにはもったいない感情の渦が潜んでいる気がします。眩しい青春の大海原だからこそ、影も深い。どこまでも自分を貫くことを決めた、わがままな悦ネエ。筆者は好きです(と勝手に捉えていますが)

結論、悦ネエの感情の動きを読み解く面白さ。私はこれが言いたいのです。案外着地はどこまでもスポコン物語なんじゃないですかね? いろんな場所で感想を見ていると『がんばっていきまっしょい』のスポコンを否定する人が多いですが……。


もう少しだった点:展開に追いつけない。

展開が早い! もっと見たかったというのは正直にあります。ボートが速くなる過程の中で。人間関係にしかフォーカスが行っていなかったので、もっと練習過程とかをみたかった。1クールアニメでもよかったんじゃないですかね? 筆者は原作が気になった次第です。明日はBOOKOFFにでも行くことにします。


CGはどう?

CGに凄く違和感を感じていました。

従来のCGとは何か違う……でも既視感……。

結論、モーションキャプチャーを使用しているようでVチューバーみたいな感覚でした。初めはそこに違和感を持っていたものの、最後の方は慣れました。背景等は素晴らしいと思います。色合いも繊細で、きっと忠実に描かれているのだと思います。聖地巡礼きっと楽しいでしょうね。

筆者
筆者

特にあの小さな連絡船、めっちゃ乗りたいです


総括

がんばっていきまっしょい入場特典
がんばっていきまっしょい入場特典

がんばっていきまっしょい3.7

正直、総合評価はちょっとわかりません。キャラの可愛さは申し分ない具合でしたし、個人的にはCGもギリ許容範囲。ストーリー性は評価しかねるかなという感じでした。

しかし、青春の輝きや葛藤を堪能するには最高の映画だったと思います。本気で向き合う覚悟って中々踏ん切りがつかないところもありますので、思い悩む悦ネエと自分を重ねて、どんな理由を見つけるか。そういう所を楽しんでみてはいかがでしょうか?

今回はここまで。ありがとうございました。

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