【映画】ベルサイユのばら

時は1700年代フランス。絶対王制が敷かれ貴族による華やかな暮らしと、その裏で広がる平民の貧困。王妃マリーアントワネットや、女性でありながら近衛隊隊長を務めるオスカルたちは、輝かしくも革命の前触れを予感させるフランスで、愛と自由を求めて生きていく。本作は、原作を120分の映画に仕立て上げた総集編。時代を越えて進化した『ベルばら』を映画館でもう一度!
今回は映画『ベルサイユのばら』のネタバレなし感想です。
まだ若造の筆者は『ベルサイユのばら』まったくの初見勢。本当に本作の名前ぐらいしか知らない状態で映画館に乗り込みました。しいて言うなら、筆者の大好きな宝塚をモデルとしたアニメで、ベルばらのオスカルを演じたいというキャラがいたので『オスカル』という名前ぐらいは知っていた程度です。
そんな状態でも、映画『ベルサイユのばら』は楽しめるのでしょうか?
結論、答えはYes。
もちろん漫画原作を120分にまとめる高度な技術が必要になっていたためか、多少の綻びはありましたが、それに目を瞑っても十分に見る価値がある映画だと思いました。本作を見終えたとき、あなたもきっとオスカル様の虜になっているでしょう。
過度なネタバレを避けながら、筆者がいいなと思った見所などを紹介します。
【今回の記事の概要】
・映画ベルサイユのばら感想。
・注目すべき点と悪かった点
注目①:フェルゼンを巡る恋模様

・オーストリアからルイ16世との婚姻のためにやってきたマリーアントワネット様。
・その護衛を務めるために幼いころから鍛錬していたオスカル(女)
・オスカルの幼馴染的ポジである平民のアンドレ(男)
・スウェーデンの公爵フェルゼン。
主な登場キャラクターは4人。出身も身分も違う4人の葛藤と生き様を描いたのが『ベルサイユのばら』という作品。マリーアントワネットは言わずもがな、フェルゼンも実際に実在していたそうで、オスカルとアンドレという起爆剤を入れて物語を生みつつも、史実になぞらえて進んでいきます。この頃のフランスと言えばフランス革命ですから、もちろんここが最終的なゴールです。
軍人として育てられたオスカルと王女としてフランスで暮らすマリーアントワネットの葛藤は、本作の一番の見所だと思いました。『心の自由』というのが本作のテーマになっているのですが、二人はフェルゼンに出会うことで‘‘今の自分‘‘に疑念を感じ始めます。
もちろん恋なのですが、この辺りの身分違いから生まれる3人の葛藤はまさに王道。彼女らの恋模様は、私たちの胸をも焦がしてしまう劇薬です。密会、秘めたる想い、決意……決してかなわぬ恋に3人はどう向き合っていくのか。そこは絶対に注視して欲しい場面です。
そして私が個人的にいいなと思ったのは、‘‘自由‘‘というもう一つのテーマに沿ったシナリオ構成。
フェルゼンへの恋を自覚したアントワネットとオスカル。以降の2人の心の距離感に注目!
このフェルゼンとのひと悶着以降、2人の関係性が徐々にギクシャクしていきます。映画ではあっという間ですが時系列で言えば長い時間をかけて徐々に離れていく2人。あくまでも、恋ではなく自由という観点から2人の心情を感じ取ってみると、自分の胸すらも焦がしてしまうような感情移入ができると思います。特に、何かに縛られたり制限されたりしていた人生を過ごしている人には刺さるかもしれません。
注目②:オスカル様

映画『ベルサイユのばら』これに尽きるかもしれません。
沢城みゆきさんのオスカル様がカッコよすぎる。
軍人らしい仕草と女性らしい仕草をいとも簡単に使い分けてしまう。クライマックスの方では、筆者自身オスカルに女として惚れているのか、男として尊敬しているのか分からなくなってしまうほどに情緒がぐしゃぐしゃになりました。
確かに、長い作品を120分にまとめている関係上、心理描写として足りない部分が多いのは確かでした。それでもオスカル様が思い悩む姿や果敢に戦う姿を見ることで、見ている我々に必ず学びが生まれると思います。それだけは確かです。
沢城みゆきさん×カッコいい女性は間違いない。
悪かった点

尺は正直厳しいですね。4人の主要キャラがいる時点で、誰かの心情が疎かになってしまうんは仕方がないことなのかもしれません。また尺の都合上なのか、途中途中ミュージカル仕様で進みますが、ここは少し中途半端。やるならダイジェストではなく徹底的にミュージカル仕様に仕立てて欲しかった所。
実際原作ファンからは一定数の批判があるようですが、それでも‘‘初見‘‘なのであれば、つまらないわけない作品ですのでそこは安心していいと思います。
終わりに

映画『ベルサイユのばら』まとめ
・初見でも全然楽しめるアニメ映画。
・アントワネットとオスカルの距離感に注目
・沢城みゆきさんのオスカルを堪能しよう。
・尺の都合上カット等あり。
はやくカッコいいオスカル様に会ってほしい。和筆者からの切実な願いです。当時のフランス情勢の中でたくましく生き抜いてきた4人のキャラクターの雄姿をぜひ映画館見届けてください。
今回はここまで。ありがとうございました。
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【普段はアニメの聖地巡礼をしています】
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