【青ブタ前巻の感想】
【最終巻】青ブタシリーズ堂々完結!

私が青ブタに出会ってから6年が経過しました。いつの間にか大学生編が始まって、とうとう最終巻を迎えました。青春ブタ野郎シリーズは、今まで見てきた作品(二次元)の中でもトップ3に入るお気に入り作品。嬉しさありながら、寂しさ半分で最終巻を読み終えました。
前回の『ガールフレンドの夢を見ない』では、霧島透子と美東の関係性、そして正体が明かされましたね。溝口先生が体調不良のようで、心配もありましたが最終巻にも挿絵があって一安心です。
今回は青ブタを振り返りながら、じゃんじゃんとネタバレ感想をしていきたいと思います。今回は私が思い出に浸る自己満足な文章が続くかもしれませんがご了承を。

では、始めましょう
【この記事の焦点】
~青ブタディアフレンドの夢を見ないネタバレ感想~
・‘‘思い出‘‘をめぐる咲太と私たち。
・なだらか終わってゆく物語。
・大人になるということ。
【ネタバレ】思い出をめぐる咲太

今回の『ディアフレンドの夢を見ない』では、霧島透子や美東のすべての原因は、観測者である咲太が原因であるということが判明しました。間もなく20歳を迎える=大人になろうとしている咲太の最後の試練が始まりました。試練といってもたいそう難しいものではなく、延長戦で続いてきた咲太の人生の視点を、ほんの少しだけ変えるだけのこと。
確実に自らの力で歩んできた道を‘‘思い出‘‘として消化できればすべてが解決する問題なのです。ただ、誰よりも思春期症候群を見てきた咲太にとっては難しい問題であることは事実です。自らが向き合ってきた非科学的現象を否定しないといけない。『あんなこともあったな』となればその思い出の中にいた人間関係は全て‘‘思い出‘‘となってしまいますから、咲太が拒否反応を起こしたのは当然のことです。

そして、咲太は思い出の地を巡ることになります。これは読者へのサービスでもあるんじゃないですかね。図書館、江の島、水族館など懐かしい思い出が、読者の中にも入り込んできます。

『これで青ブタが終わるんだな泣』
と思うと、思わず泣きたくなってくる私です。
でも、大丈夫。咲太が歩んできた道は確かに刻まれています。
それは私たちが一番知っているのですから……。

咲太は思春期症候群との別れを惜しむように歩く。
そして私たちは、青ブタとの別れを惜しむように読み進めていく。
最終巻に相応しい咲太の思い出巡りなのでした。
なだらかな終わりと始まり

正妻、麻衣さんの一言もあり、咲太の思春期症候群は思い出に昇華されました。SFラブコメの最後の解決方法が、現実と向き合うことだなんてなんて粋なんだろうと私は思います。咲太が将来に進む道を麻衣さんに報告するシーンにはグッとくるものがありました。
あくまで咲太が好きで見ていた身としては、大満足な着地だったのですが、ヒロイン目当てで読んでいた場合は物足りない所もあるかもしれませんね。
『ディアフレンドの夢を見ない』では、作中の中盤ぐらいから、物語の着地に向けて進みだします。時間はゆっくりと進んでいくけど、いつかは終わりを告げる咲太の物語。二歩進んで一歩下がるような‘‘結末‘‘との距離感が心地よかったです。特に何があるわけでもなく、咲太の選択が終始描かれる。別世界の咲太が登場するなどSF感満載な部分もいいですが、それを普通に受け止めてしまっている咲太を見ていると、いまだ夢の中にいるんだろうなという印象を持ちました。たいてい夢=青春は高校を卒業して儚げなく消えて行ってしまうものですが、そんな咲太を見ていると、つい『羨ましいな』なんて思ったりもしましたけどね。
私は、特に‘‘思い出‘‘という側面を考えていました。
正直、私も咲太と同じ気持ちだったのでよくわかります。
‘‘思い出‘‘にするのってすごく勇気がいることだと思うんです。自分の経験した辛さ、幸福が全部過去のものになっちゃうんじゃないかって本気で思います。自身の経験に執着して向き合うことも強さであるとは思いますが、前を向けているかと言われると向けていない。私には隣を歩いてくれる麻衣さんのようなパートナーがいないので、前を向いて思い出にするのにはまだまだ時間がかかりそうです。
思い出を乗り越えて今を生き始めた咲太と麻衣さん。きっと幸せな未来が待っているのでしょう。
大人になるということ

色んな世界に迷いこんだ咲太は、20歳の誕生日に大人になることを選択しました。シュレディンガーの猫みたいな青春の出口を『教師』として大人になろうとしています。
現実でも、青春ってシュレディンガーの猫みたいなものだと思います。未来が確定していないから、なんだってありな世界。私たちの世界にも思春期症候群が発生していてもおかしくはないのです。その中を観測できるのは、青春の中にいる学生だけですから。
未来を選ぶ勇気を持つことこそ、大人になることなのだと思いました。
なんだってできるモラトリアムの世界から出るのは不安がつきものです。自分が確立されてしまったら変えることは難しい。生きる上で言い訳を与えてくれないのが人間社会です。友達ができなくても自分のせい。現実から消えることができないもの自分のせい。コンプレックスを抱えていても全部自分のせい。思春期症候群なんて言い訳は使えません。でも、つまらないことばかりじゃないのも大人の世界。
‘‘君のせい‘‘にして正当化できるのが思春期なのかなと思います。
今学生の人がいるなら、言い訳を存分に使ってください。いつか未来を選ぶ勇気が持てたのなら歓迎しましょう。その世界で咲太も麻衣さんも待っているはずです。
終わりに

ディアフレンドの夢を見ない
私は咲太の人目を気にしない強さに憧れました。人生初めての聖地巡礼が七里ヶ浜でしたので、本当に懐かしい気持ちでいっぱいです。最終巻はなだらかに、青ブタらしい静けさの中で終わりを迎えました。翔子ちゃんにとっても私にとっても咲太先生ですね。私はこれからも、咲太のことを先生として崇めようと思います。鴨志田先生、一旦お疲れ様でした。
今回はここまで。ありがとうございました。
【関連:青ブタアニメ聖地】
【鴨志田先生原作:just because!聖地】
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